2025
2025.10.21
「障害福祉現場の賃上げ状況調査」調査結果の公表について
本会では、5月に実施した障害福祉関係団体(4団体)合同調査に引き続き、調査範囲を8団体※に拡大し調査を実施しました。秋の経済対策・補正予算を念頭に「骨太方針」の実現に向け、テーマを「賃上げ」に重点化しております。
※日本知的障害者福祉協会、全国身体障害者福祉施設協議会、日本相談支援専門員協会、全国介護事業者連盟、全国児童発達支援協議会、全国身体障害者施設協議会、全国社会福祉法人経営者協議会、全国社会就労センター協議会
[調査の主旨]
障害福祉関係団体(4団体)で合同調査を行い、調査結果に基づく現場の窮状を国や社会に対して訴え、懸命な要望活動を展開しました。その成果として、6月に閣議決定された「骨太方針2025」には、障害福祉分野に関する「公定価格の引き上げ」「幅広い職種の方々の賃上げ」「他職種と遜色のない処遇改善」などの必要性が明記されました。
しかしながら、8月に示された厚生労働省の令和8年度予算概算要求では、処遇改善や物価高騰対策については予算編成過程で検討とされるなど、十分な手当てがなされるのか現時点で不透明となっております。
本調査は、こうした背景を踏まえ、障害福祉現場における直近の賃上げ実態をあらためて明らかにし、国や社会への働きかけを行うため、新たに4団体に参画を呼びかけ、8団体合同で実施しました。
[調査結果から見えた現場の実態]
◆障害福祉事業所は、処遇改善加算を活用し、加算の算定基礎に含まれない職種等を含め、でき得る限りの経営努力により、処遇改善を着実に進めている
◆物価高騰や最低賃金引上げのなかで、現行の報酬・加算水準では、すでに賃上げ余力がなく経営努力による対応も限界で、全産業との賃金格差が拡大している
[提言・要望]
1.全産業と遜色ない処遇水準に向けた加算額、報酬の大幅な引上げと早急な実施
2.報酬への賃金スライド制・物価スライド制の導入
3.処遇改善の制度間一元化、対象事業・職種と法人裁量のさらなる拡大
4.物価高騰対策にかかる財政支援の拡充
本調査ならびに提言・要望については、障害福祉現場における深刻な実態を踏まえ、国等に対して障害福祉事業所への緊急的な支援を呼びかけていきます。